【TIME-SKYLON AKTIV インプレッション】

MTG03182015-04-16

●組みあがってから1週間が経過しましたので、TIME-SKYLON AKTIVのファーストインプレッションを纏めてみました。(比較対象としては2013年度版ZXRSと2009年度版RXR ULTEAM)

コンポーネント:カンパニョーロ-スーパーレコードEPS(2015)
ホイール:カンパニョーロ-ボーラウルトラ35(2014)・ライトウェイト-マイレンシュタイン オーバーマイヤー
ギア:フロント53-39T・リア11-23T
クランク:カンパニョーロ-スーパーレコード170mm(2015)
ブレーキ:スーパーレコード フロントダブルピボッド・リアシングルピボッド(2015)
ハンドル:TIME-ERGODRIVE RED 42cm(2015)
サドル:セラサンマルコ-アスピデ スーパーレジェラTIME ブラックレッド
ペダル:TIME-XPRESSO15セラミック
重量:6.26Kg(XSサイズ。ペダル・ボトルケージ×2・オーバーマイヤー使用時)
●まず、総重量がそのまま走りに行く事が可能な状態で6.26kgです。TIMEを複数所有していますが、年々すこーしずつ軽くなってきてマス。とうとうこの軽さですわ。TIMEは軽さうんぬんを言うフレームではないことは重々承知ですが、やっぱり気にはなりますから。ちなみにZXRSは同じコンポでボーラ履かせて6.76kgでしたので、ホイールの分を差し引いても軽くなってますね。RXR ULTEAMはスラム-レッドで組みましたが、6.80kgでした。スーパーレコードEPSで組んだSKYLON AKTIVとZXRSの方が比べて軽く仕上がってます。7800デュラエースで組んだTIMEーVXRSだと7.1Kgでした。ボリュームのある外観に騙されがちでメーカーも敢えて謳ってはいませんが、十二分に軽量フレームの部類に納まります。ダウンチューブとか、チェーンステーとか、特にゴツいんですけどね。超軽量フレームに有りがちな「触って凹む場所が一つもない」ですし。
●今回のモデルの一番の売りであるアクティブフォーク、フォーク単品で535gと結構重量級です。それでこの総重量ですから、他でかなり軽くなってんだろうなあ、と。

●フォーク後ろはフィン状になっていて、ダウンチューブとなだらかに繋がっています。ZXRSはここがくびれていて、いまいち気に入っていなかったところなので、評価したいです。ブレーキを止める沈頭ナットは48mmもあり、超長い。長いナットで止める方が理に適っているとは思いますが、専用部品作ってまでってのはなかなかないです。


ヘッドチューブトップチューブのボリュームはZXRSに比べておとなしくなった印象ですが、実はパーツの径自体はアップしていて、ZXRSの下ワンベアリング=SKYLON系の上ワンベアリングで45mmです。SKYLON系の下ワンベアリングは外径が52mmのスーパーオーバーサイズで、所謂ワンポイントファイブと外径は似ていますが、内径はこちらのほうが各段に大きくなっています。これも専用部品ですね。ヘッドセットカップもZXRSと同じに見えて違う専用部品です。




トップチューブのワイヤー出口、XXS・XSサイズは上から出ていて、Sサイズ以上は下から出ています。確かにリアブレーキの位置関係を考えたらその方がいいんですが、わざわざ変えてくるメーカーはそうないと思います。

●トランスリンク(ISP)は従来通りの方法ですが、これもZXRSとは別部品で、ZXRSのシートポストは入りません。固定は横方向からの1本締めで調整が簡単になってますが、ここは従来の方式のほうがよかったなあ、調整しにくかったけど。カーボンレールなので、付属のアダプターに変更しています。



●中に11cmほどの短いシートポストが入っており、その下にEPSのV2バッテリーを吊り下げています。7cmは中に入れるよう指示線があるので、4cmは上方向に上すことが可能です。ZXRSまでは3cmでした。

●BB周辺。BB規格はBB386EVOです。金属ワンはなく、カーボンにそのままインストールしています。ちなみにヘッドベアリングもこの方式で、2012年のVRS フルイディティからこの方式です。


●リアエンドは2004年のVXRSから2015年のIZON系まで全て共通ですが、SKYLON系は10年目にして変えてきました。ちなみに自社生産にこだわっているだけあってTIMEはリアエンドの種類がとても少なく、エリックス・カジノレプリカ系・ボンジュールレプリカ系・VXRS系と今回のSKYLON系の4種類のみしかありません。

●ダウンチューブ、ボリュームは圧巻です! ZXRSよりかなり太くなっていますね。当然のようにサイズ毎にチューブの太さが違います。TIMEの技術者曰く、オルベアのSSNのようにボンジュールレプリカのころからサイズ毎に剛性を同じようにコントロールらしいですから。

●さて乗って見ての第一印象は「また硬くなったー!」と「白線の上を走ってるみたい」でした。モデルチェンジする度に剛性感は増して行っているように思います。特にリアの剛性感アップが顕著に感じます。ただ見た目はゴツいですが、私の体重ではTIMEらしくちゃんとしなります。BB周辺の剛性はVX PRO→VXRS→VXRS ULTEAM→WORLDSTARと世代を進めるに従い増してきて、RXR ULTEAMで少し落としてRXRS ULTEAMでまた上がり、ZXRSで更に上がり、SKYLONでまたドンっと上がった感じです。
●硬いといってもさすがTIMEで、振動吸収性も抜群です。いや言うなれば振動収束か。石畳の上に高速で突っ込んでも全く暴れませんし、最初に言ったずーっと白線の上を走っているような、少し浮遊感のある振動の伝わり方です。相変わらず峠の下り等では安定しすぎて逆にスピードが出すぎて危ないです。
●でもアクティブフォークは重いので、はっきりいってハンドリングは従来の軽快感が失われています。切り返しを連続させると重さを感じますし、乗り換えてすぐの時はヘッドの当りがまだ出ていなかったのもあって、慣れるまで手放し走行できませんでした。少し走れば慣れますけどね。
●アクティブフォークの真価はやっぱり細かく荒れているアスファルト路面やパヴェに高速で突っ込んだ時ですね。タイヤは接地してるしコントロールも出来るのになんだこの浮遊感はっ、て感じになります。あとは長距離やレース終盤で脚を残す為には超有効かと。
●総評として、TIMEはやっぱり【魔法の絨毯】を創りたいんだなあ、と思いました。VX PRO→VXRS→RXR ULTEAM→ZXRS→SKYLON AKTIVと形はかなり変化してきましたが、「走っても疲れにくいし疲れない」「路面を捕まえて離さない」っていう基本コンセプトは踏襲しているんだなあ、と。『TIMEはTIME』でした。